プロスペクト理論
プロスペクト理論とは
利益が得られる場面では確実な利益を求めてリスクを回避し、損失を被る場面ではリスクをとってでも損失を回避しようとする心理です。
簡単に言うと「人は得することより、損することを避ける」ということです。
人は同じ損失と利益を比べた時に損失の方を重く見積もる傾向があります。
プロスペクト理論は以下のような実験から実証されました。
プロスペクト理論の実験例①
AとBの2つのグループに分けて実験します。
Aのグループ
目の前の選択肢を選んでもらう
1:無条件で100万円獲得
2:コインを投げて表が出たら200万円獲得、裏が出たら獲得金額0
Bのグループ
負債額が200万円あるとする前提で目の前の選択肢を選んでもらう
1:無条件で負債額が100万円減る
2:コインを投げて表が出たら負債額が0に、裏が出たら負債額は変わらない
Aのグループでは多くの人が1の選択肢を選ぶが、Bのグループでは多くの人が2の選択肢を選ぶ。
プロスペクト理論の実験例②
AとBの2つのグループに分けて実験します。
Aのグループ
目の前の選択肢を選んでもらう
1:90万円を100%貰える
2:100万円を90%貰える
Bのグループ
目の前の選択肢を選んでもらう
1:90万円を100%失う
2:100万円を90%失う
Aのグループでは、確実に利益が手に入る1の選択肢を選ぶ人が多い。
しかしBのグループでは、損失を回避できる可能性がある2の選択肢を選ぶ人が多い。
どちらも期待値は同じなのになぜか選ぶ選択肢に違いがあります。
プロスペクト理論はギャンブル脳!?
ギャンブルで負けが込めば込むほどそれを取り返そうとさらにお金をつぎ込む。
これはプロスペクト理論で損失回避が働いているからなんです。
ギャンブルで1万円勝つとせっかくの勝った金額を減らしたくないのでこの時点で利益を確定させるわけです。
しかし、逆に1万円負けるとどういう訳か人は損を取り返そうとさらにお金をつぎ込むわけです。そして大概の場合損失が膨らみ、それをまた取り返そうとムキになります。
このように人間は、損失を回避したいというあまり合理的な判断ができなくなってしまいます。